マイクロチップ強制は動物愛護の遅れた国の制度(前編)

現在、犬猫のマイクロチップが義務化されているのは、アメリカ合衆国の一部、オーストラリア、フランス、ベルギー、スペイン、ギリシャです。そして、今年6月からイギリスが加わります。
それらの国を、一つ一つ検討したいと思います。
先の記事で米国の状況を説明しました。今回は、米国の補足と、オーストラリア、フランスの状況を説明します。


1.野良猫が6,000万から1億匹いるアメリカ合衆国 
米国には、野良猫が想像がつかないほどたくさんいます。その多くが捨て猫です。 (ⅰ)
野良猫野良犬は、動物管理官(多くは公務員)に捕獲され、動物保護施設に送られます(ⅱ)。630万匹の犬猫が施設に収容され、92万匹が殺処分されます。その数は日本の約100倍です。

自由の女神はクタクタ
240228s1.jpg
収容される犬猫の中に、迷子になった犬猫もいます。マイクロチップは、間違って捕獲された迷子の犬猫が、殺処分されずに済むためのものです。
ちなみに日本では、行政は猫を捕獲しません。仮に施設に収容されても、迷子届を出していれば殺処分になることはまずありません。


2.野良猫を大虐殺しているオーストラリア
オーストラリアでは多くの州がマイクロチップを義務化しています。
保護施設に収容された健康な猫が、年間約5万匹殺処分されています。(ⅲ)
この数は人口比で日本の30倍です。
米国よりは少ない?と思ったら大間違い。これはあくまで収容された猫の話です。

多くの野良猫は、毒殺、銃殺等によってその場で殺されます。
オーストラリア政府は2015年に、2020年までに200万匹の野良猫を殺すというビックリする計画を発表しました。(ⅳ) 世界中の動物愛護者が大反対する中で強行され、初年度には毒入りのソーセージを空から撒き約21万匹の猫が殺されました。

猟銃で猫が撃ち殺されるのを見たことがあるでしょうか?猫は軽いので、撃たれた瞬間吹っ飛びます。とても見るに耐えません。ここでは表示しませんが、You Tubeで「Shooting Cats Australia」で検索すると出てきます。射殺は、オーストラリアの感覚では、安楽死なのだそうです。
ある文献には、「猫が苦しまないように脳を狙って一発で仕留めろ」と記されています。(ⅴ)
ある州では、猫の頭の皮一枚10ドルという賞金が懸けられています。(ⅵ)

そして、殺猫兵器「Felixer」(猫が死ぬ場面は出ておりません)。
レーザーを使って野良猫を判別し、有毒ジェルを噴射し、猫がそれを除去する時に舐めて死にます。これが「斬新で人道的な」ツールと呼ばれています。(ⅶ)
一見平和な国に見えるオーストラリア、しかしこんな恐ろしい事が行われているのです。


3.猫を捨てまくっているフランス
フランスは、2012年から猫のマイクロチップ(またはタトゥー)を義務化しています(犬は1999年)。
フランスには野良猫が1100万匹もいます。人口比で、米国とあまり変わりません。(ⅷ)
野良猫がこんなに多いのは、人が捨てるからです。
フランスは「ヨーロッパの捨て猫チャンピオン」と呼ばれています。(ⅸ)
フランスではクリスマスに知人にペットを贈る習慣がありますが、そのペットの多くが、夏になると捨てられると言われています。(ⅹ)
野良犬野良猫は、行政が捕獲し保護施設に送られます。2022年に収容された数は、捨て猫24万匹、野良猫4万匹、犬5万匹です。(ⅺ)  殺処分された犬猫は年間約10万匹。人口比で日本の20倍です。(ⅹ)捕獲され保護施設に収容された犬猫は、2022 年に捨て猫24万匹、野良猫4万匹、犬5万匹です。(ⅸ)  殺処分された犬猫は年間約10万匹。人口比で日本の20倍です。(ⅻ)

自由の国アメリカ、自由の国フランス。でも犬猫にしてみれば、自由じゃなくて自分勝手な国と言いたくなるでしょう。

フランスの自由の女神もヘトヘト
240228s2.jpg
フランスはマイクロチップを義務化して10年以上経ちます。しかしこの数字を見て下さい。効果が出ているとはとても思えません。


日本も昭和の末期には、野良猫は非常に多く、収容される猫の数は年間30万匹以上、それと同数の殺処分が行われていました。しかし市民の努力で捨て猫が減り、収容される数は10分の1、殺処分は30分の1に減りました。
フランスの状況は、日本の昭和末期と変わりません。動物愛護の精神が40年遅れています。米国はもっとひどい。オーストラリアに至っては論外です。

米国はTNR(野良猫を捕獲し避妊去勢してリリースすること)発祥の地です。しかし効果が出ていません。当然です。原因は、野良猫が子を産むからではなく、捨て猫だからです。(「TNRしないと野良猫が増えるは間違いです」を参照下さい)。

フランスの例が示す通り、マイクロチップを義務化しても、捨て猫は減りません。
フランスでも捨て猫は犯罪です。しかしそれでも、守らない者は守らない。
動物愛護の精神は、国民が培っていかなければなりません。国の強制は役に立ちません。


出典
(ⅱ) Wikipedia「Animal control service」 






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